唐梨の木
Since 2006.12.12
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いつまでもガキと思うな背後の彼
side:K
振り向いたらそこに私のベッドに横たわる彼が、上目使いで見上げていた。
「・・・」
「んだよ」
「いや、何やってんのよ。あんた」
「別にべんきょーの邪魔してねえだろうが」
「そうだけど」
(ちょっと今、どきって・・・///)
「退屈だ~。かごめ、べんきょー終わったんならこっち来いよ」
「変な意味に捉えるわよ?」
「どうぞ」
「っ!?///」
side:I
何故だか無条件で安心するかごめの寝台の上で、少し眠気と戦っていた。戦いながら、ぼうと机に向かうかごめの後ろ姿を眺めていた。
(気付かねえかな・・・。こっち見ろよ)
おれの気持ちが届いた訳じゃ無いだろうけど、かごめが振り返った。なのに何故か絶句してやがる。
「んだよ」
おれが居たこと知らなかった訳じゃねえだろうが。
「いや、何やってんのよ。あんた」
何って、それは無いんじゃねえか?
「別にべんきょーの邪魔してねえだろうが」
「そうだけど」
ちょっと待て、なぜそこで赤くなる?
お前それ反則だろ。
・・・だめだ。我慢の限界。
「退屈だ~。かごめ、べんきょー終わったんならこっち来いよ」
わざと、駄々を捏ねるガキみたいに言ってみると。
「変な意味に捉えるわよ?」
案の定かごめはおれが深い意味を込めずに言ったと思ってる。たぶん、慌てるおれを期待してんだろうが、生憎おれはそんなにガキじゃねえんだぜ?
わかってんのか?こいつは。
「どうぞ」
いつもは使わねえ口調で返してみる。
おもしれえ・・・
無理に誘い込みはしねえよ。
拒否する選択肢は残しといてやる。
「否」と答えたら、冗談にしておれが部屋から出て行けばいい。
断られても尚、ここに居続けられる自信はねえから。
「応」と答えたなら、覚悟しておけよ。
いつでも、ガキっぽいと思って安心してんなよ?
お前の目の前にいるのは一人の「男」なんだぜ?